“Farm to Table”(農場から食卓へ)と題し、弊社取り扱い商品の各生産者/メーカーの様子を紹介してまいります。
3回目は「有機カムート小麦粉」の生産会社Kamut International(カムート・インターナショナル)社(以下、KI社)です。以下、KI社のHPより抜粋してご紹介します。
Kamut🄬 Khorasan wheat(以下、「カムート」と商標化されたホラーサーン小麦。以下断りがない場合にはカムート小麦。)は、kamut🄬ブランドにより幾つかの規格が保証されている古代小麦です:
■純粋な古代のホラーサーン小麦(品種改良、遺伝子組み換えが一切されていない)
■有機栽培のみ可能
■たんぱく質含有率を12-18%保証
■現代小麦の混入を99%カット
■あらゆる疾患の可能性を98%カット
■400-1000ppb(10億分の一)のセレニウム含有(その他 高い栄養価(現代小麦と比較し、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、ミネラル(特にセレニウム、亜鉛、マグネシウム)が豊富))
■誤解、疑惑を生じるような名称での販売は禁止
■消化が容易
■甘いナッツバターのような味
■しっかりとした舌触り
カムート小麦は有機圃場で生産され、北アメリカ・モンタナ州、カナダ・アルバータ州とサスカチュワン州が主な産地となります。ホラーサーン小麦は現代小麦よりも約3倍の大きさがあり、特徴のある「こぶ」と濃い黄金色のガラスに似た細長い形状をしています。
ホラーサーン小麦は小麦の一種であるためグルテンを含んでいますが、現代小麦のグルテンに敏感な多くの人がカムート小麦は食べれたとの報告があります(KI社は目下 理由を調査中)
メソポタミア(チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野)を原産地とする説がありますが考古学的な証拠は見つかっていません。
カムート小麦にまつわる話は1949年に遡ります。ポルトガルに駐留していたアメリカ空軍のEarl Dedmanは、エジプトの墓から拝借したと言う不思議な穀粒を友人から受け取りました。カイロの行商から購入したというのが正確な話ですが、Earlは36粒の小麦粒を、モンタナ州フォート・ベントンの農家である父親R. E. Dedmanに送りました。6年後、Dedman父はそれを1500ブッシェル(52.5千L)に増やし、”King Tut’s Wheat”と名付けました。
King Tut’s Wheatと呼ばれる穀粒は地域の特産品となり、1964年6月、モンタナ州Great Fallsの地元新聞では、農家のClinton Stranahanが大きな穀粒を見せている写真が掲載されています。Clintonは近くの農家市でサンプルをいくつか配り、そこに居合わせたのが当時16才のBob Quinn(KI社社長)。数年後、その穀粒の人気は落ち、行方は分からなくなりました。
1977年、UCデイビスで植物生化学のPh.Dを修めた後、BobはCorn Nuts®スナックを食べていました。そこで思い出したのがKing Tut’s Wheat。Corn Nuts®社に連絡し、King Tut’s Wheatスナックの製造に関心があるか聞いてみたところ関心を示してくれ、Bobの父親Mackは、King Tut’s Wheatの瓶を物置から引っ張り出し、蒔いてみると上手く芽が出ました。ただ、供給量が限られていると知り、Corn Nuts®社は栽培を続けないことに決定しました。
1978年、Bobは家業の農家に戻り、その間、King Tut’s Wheatは成長をし続けていました。同じ時期、Bobは有機栽培にも関心を持ちはじめ、1986年、初の有機認定作物を作付。1989年までにQuinn家の圃場は全て有機になりました。
1986年、Bobと父親は、カリフォルニア州ロサンゼルス・アナハイムで開催されたNatural Products Expo Westでその穀粒を展示しました。自社の有機小麦商品を初めて出展した年でした。大きな関心を感じ取り、保有する60ポンド(約27kg)の種を、1.5エーカー(東京ドームの約1/7)の圃場に蒔き、翌年も同様に蒔きました。
1988年、Royal Angelus Macaroni Company社によりパスタ製品が初めて紹介され、翌年、Oasis Breads社によりパン商品が初めて紹介されました。
小麦に敏感な人達でも食べられるという結果が出てきたことから、Bobは この穀粒のユニークで体に優しい品質を守るために、トレードマークを設けることで品種を守ろうと決意します。1990年、KAMUTの商標が登録され、彼らが扱う穀粒は品種改良がされておらず、常に有機栽培されることが保証されました。また、1991年、Arrowhead Mills社が初の加工品を紹介、ヨーロッパにも紹介されるようになりました。
KAMUT®トレードマークは、このマークを付帯しているホラーサーン小麦は常に原種、非品種改良、非遺伝子組み換えが保証されており、また常に有機栽培され、高い純度、栄養価、品質が保証されています。
KAMUTとは古代エジプト語で「小麦」を意味し、E.A.Wallis Budgeにより編纂され1920年にJohn Murrayによりロンドンで初めて出版されたエジプトのヒエログリフ辞書に記載されています。失われた言語であり、一般的に使われることのない言葉であったため、トレードマークとして登録することが出来たようです。
KI社はミッションとして以下を掲げています:
「現代世代、将来世代のために、有機農業を促進し、有機農家をサポートし、収穫物と食事の多様性を増進し、高品質で美味しい古代の穀物の特性を守ること」
KI社の担当Jamie氏を、本年2017年3月、アメリカ・カリフォルニア州アナハイムで開催されましたNatural Products EXPO WEST2017の際に訪問して参りました。